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コスギ君チャレンジ! (3)  「寝かせきりされてみました」 ~前編~

コスギ君チャレンジ! (3)「寝かせきりされてみました」~前編~

はじめまして、こんにちは。コスギです!
訪問看護のバックオフィスに勤務しています。
介護についてはまだまだ素人で、日々、会社の方々に教えていただいて勉強中です。

突然ですが、皆さんは「介護された」ことはありますか?

僕は会社で介護に関する情報発信を担当しているのですが、自立支援介護の専門家の方から、認知症や麻痺など体にいろんな不自由をもっているお年寄りの介護の話を聞いているうちに

「お世話されるおじいちゃんおばあちゃんって、どういう世界で、どんな気持ちで生活しているんだろう?」

と思うようになりました。

そこで、弊社の久保さんに全面的にご協力いただいて、

「要介護高齢者の気持ちになってみよう!!!」

という企画をたてました!!

こちらが久保さんです。
日本自立支援介護・パワーリハ学会の認定講師でもあります。

ちなみに久保さんは、僕とそれほど歳は変わらなくて若いのですが、自立支援介護の第一人者である竹内孝仁教授から「日本で重度な高齢者を一番歩かせている男」と呼ばれるスゴい人です。

介護への熱意は人一倍。パワフル。とても頭がキレる。
そして、自分の意見をはっきり言う人です。
久保さんはご自分に厳しいけど、仕事のことだと、僕にもとても厳しいです。

麻痺状態の再現!

今回は「寝かせきり状態のお年寄りになる」体験です。

実はすでに2回、「体の一部が麻痺した状態」を再現した体験チャレンジはしたことがあります。

めちゃくちゃ大変でした。
ラップでぐるぐる巻きにされて腕や脚を固められて……
その状態で車椅子や杖や歩行用シルバーカーを使って移動とか……


今回は「寝かせきり」なので寝ているだけだから、前よりちょっとラクかも……?

今回は腕と両脚の麻痺を再現します。
その状態で約1時間横になってみましょう


やっぱり固めるのか……

本当の要介護のお年寄りのように、体位変換まで同じポーズで寝かされることになりました。実際の施設では、褥瘡防止の体位変換の時間は、基本的に3時間おきくらいだそうです。僕は今回1時間なので、がんばります。

でも「寝かせきり」と言われてちょっと心配になったのでトイレには行っておきました。帰りに会社の介護用パンツはいて帰るのは、まだ心の準備が……

声掛けはとても大切

今回もラップと段ボールは必需品。
久保さんの指示で右手は胸元にひきよせて、手首が無理矢理な方向に曲がった状態。
そのまま、上半身ごとラップでぐるぐる巻きです。
このポーズ、老人ホームで見たことがある。
けっこうキツイ。でも麻痺の起きたお年寄りはずっとこの状態でいらっしゃるのだから、僕もがんばらねば。

介護用ベッドの上に寝転がらされて、脚も両方、段ボールとラップとガムテープで固められました。でも僕からは見えません。
いつも思いますが、何かされているとき、どうなっているのかわからないのは不安だな……と。
麻痺が起きているお年寄りは感覚が麻痺していると聞くから、もっと不安かもしれない。

自分がどんな状況に置かれているかわからないのは不安だよね。お年寄りは視力や聴力や認知力が落ちている人も多い。だから、声を掛けて、安心させてあげることが大切。声掛けてもらうと安心するでしょ?


はい、ほんとそのとおり!


でも俺、寝かせてる間は声掛けないでおくね、コスギ君だから


え、声掛けしてくれないの?


うん。だって声掛けたら、動けないでほうっておかれてる、おじいちゃんおばあちゃんの気持ち、わからないでしょ


そうでした。


右腕だけじゃなくて左腕も固めようと思っていたんですが、危ないので。とりあえず今日は右腕だけ固めて左腕は使えるようにします。でもコスギ君、絶対動くなよ。


難易度下がった!と内心喜んだんですが、最初のハードルが高かっただけの気がしてきました。脚の太ももの間にクッションが挟まれているようです。


コスギ君の体位を整えてあげてます。今日は、悪い例でいくからね。


悪い例!!?


本当はもっと体の隙間をバスタオルとかで埋めて、筋肉が硬直してるのを弛緩させてあげないといけないんですよ。

でも、今日はコスギ君なので、“比較的悪い例”に体はってもらいます。隙間があるから肩とか張ってるでしょ?下肢も隙間を空けちゃだめなんだけど、わざと空けてるからキツいと思います。これで最低45分、寝かせきり状態にします。どれだけ苦痛か


苦痛……わかりました。
それでも実際の全介助が必要なおじいちゃんおばあちゃんより、きっとラクなはず。

体はると言ったからには僕はやります!!!

リアリティを限界まで追求

決意している間に、久保さんが、僕に布団をもりもり掛けはじめました。

研修室はクーラーが効いてるけど、今日、外は猛暑。気温35度のはずですが……

よく介護士さんで「“ゆっくり休んでね”」ってたくさん布団かける人がいますよね。
それを再現してみました。


久保さんはいつでも本気です。

僕も負けていられない……! 
たとえ「介護のちょっと悪い例」の実験台だとしても!!
と思ったら


うーん?リアリティ足りないと思ったら、頸部固めてなかった……でもさすがに、固めてベッドから落ちたりしたら怪我するからやめますね


ちょっと、怖い。
本当は首のあたりも固まって動かせない……?
要介護のお年寄りは、危険な状態で毎日すごしているんだなぁ……

正直言うと、体の下敷きになっている右腕が、すでにキツいです。思わず、固めていない左腕をちょっと動かしたら久保さんに「動いちゃダメ!」って怒られました。すいません。

でも動くな動くなって言われると動きたくなりません?

……と、言い訳してる間に、みんな出て行っちゃいました。



―後編に続く―


小菅 広幸(こすげ ひろゆき)

平成2年、神奈川県横須賀市生まれ。高校時代はサッカー部に所属し、サッカー中心の生活。大学では比較文化学を学び、海外への留学経験もあり。現在、インキュベクス株式会社勤務。愛称は、コスギ君。ハンバーガーが大好物。

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