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認知症に関するよくあるご質問をまとめました


認知症に関するよくあるご質問をまとめました。
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厚生労働省では、認知症を次のように定義しています。「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)」。症状の現れ方は多様ですが、認知症という病気に共通するのは、状況を正しく認知・把握することができなくなり、その結果として症状や異常行動を生じさせることにあります。

認知症の症状は、共通して現れる「中核症状」と、個々で症状が異なる「周辺症状(BPSD)」に分かれます。「中核症状」の代表的なものは記憶障害(物忘れ)で、ほかに見当識障害(時間・場所・人物を認識できない)、実行機能障害(順序立てた行動ができない)、失語・失行・失認(言語・行動・認識面で社会的行動ができない)といった症状が見られます。「周辺症状(BPSD)」は中核症状に起因して現れ、うつ状態や妄想など心理面の障害と、徘徊・暴力など行動面の障害が生じます。

これまでは脳の委縮など「脳原因説」が一般的でしたが、現在は多岐にわたる要因が認知症の原因とされています。イギリスの臨床心理士であるトム・キットウッドは、“認知症は社会心理的な病い”であるとして、環境の悪化に原因を求めています。また、環境に加えて身体の状態を重視する理論もあり、そこでは要介護者の健康面や生活行動のケアを行う「自立支援介護」が実践されています。

加齢による物忘れは、何かヒントが与えられたり一定の時間が経過すると、忘れていたことを再び思い出すことができます。しかし認知症の忘却は、過去の体験や予定していたスケジュールなど、物事の全てを忘れてしまいます。そして自分が忘れているという「自覚」を持たないのが特徴です。

厚生労働省の調査では、平成24年の65歳以上の認知症高齢者は462万人と推計されています。また、全国のMCI(正常と認知症の中間状態の方)は400万人と推計され、「早期診断・早期対応」「認知症の普及・啓発」「見守りなどの生活支援の充実」などが課題となっています。

現在、認知症の分類には、以下のものがあります。
・「アルツハイマー型認知症」…認知症の約半数を占め、脳内たんぱく質の異常から脳が委縮して、深刻な物忘れ、無関心、異常行動などの症状が現れます。
・「レビー小体病」…「アルツハイマー型」についで多く、幻視などの認知症状に加え、体の硬直などパーキンソン病と共通した症状も見られます。
・「前頭側頭葉変性症・ピック病」…大脳の前頭葉と側頭葉が委縮することで、性格変化や異常行動が見られます。
・「脳血管性認知症」…脳梗塞や脳出血などに起因して、運動障害、麻痺、言語障害などの認知症症状が現れます。
・「若年性認知症」…若年性認知症は認知症症状が認められる方の年齢が18歳~65歳未満の場合の総称です。「アルツハイマー型認知症」「レビー小体病」「ピック病」「脳血管性認知症」などが含まれます。

健康な人の場合、周囲のさまざまな状況や変化に対して、全方位的に注意をめぐらせることができます。しかし認知症の方は、状況の一点のみにしか注意力を注げなくなるのが特徴です。また、普段の日課の段取りがおかしくなる、工程がうまく組み立てられないなども特徴の一つです。

認知症は身体の疾患ではなく、「精神疾患」です。統合失調症やうつ病などの精神疾患では、それぞれの「症状がとれる」ことが「治った」と判定され、その後はぶり返しがこないように予防ケアに努めることになります。認知症も同じです。「自立支援介護」に基づいたケアでは、「水分・食事・排泄・運動」などの改善によって症状の「軽減」や「消失」をめざし、自立した生活によってぶり返しを防ぎます。

ご家族の認知症が疑われる場合、お近くの地域包括支援センターや介護事業所などに相談されることを勧めます。現在は地域包括支援センター内に「もの忘れ外来」などが敷設されているところも多く、状態を適切に把握し、ケアマネージャーを紹介してくれると思います。

また「介護職のための認知症消失広場」のWeb相談フォームでは、スマホやPCなどを通じてどこからでも相談を受け付けています。個々の相談内容に対して、相談員からケア内容のアドバイスをメールで送らせていただいています。

一般的に過度の飲酒や喫煙は認知症リスクを高めるといわれています。また気をつけてほしいのが睡眠不足です。脳の中には神経伝達物質のセロトニンというものがありますが、これが不足すると睡眠がしづらくなる、感情が不安定になる、といった弊害が起こります。適切な睡眠と身体的な健康を維持するためにも、運動や規則的な生活を心がけてください。

ウォーキングなどの適度な運動を、継続的にするように心がけましょう。また外出して、ご近所や地域の方々とかかわることも大切です。要介護高齢者は閉じこもりがちなケースが多く見られ、精神的・身体的な活動量が下がると、睡眠不足や栄養不足になってしまうといった悪循環に陥ってしまいます。週3回以上は外に出る習慣をつける。また家の中でも家事を積極的に行う、趣味に没頭するなどもよいと思います。

認知症の進行を遅らせる薬はあります。ただし、周辺症状の緩和を目的に大量の薬を服用すると、症状が軽減する一方で、意識がぼんやりしたり体調が悪くなるといった副作用も懸念されます。あまりにも大量の薬が処方される場合は、医師や薬剤師に相談してください。

認知症になられた方は、周囲を正常に認知できている人とは異なる状況下で生活しています。そのため、心理面でも当人は常に混乱と不安にあることを周囲が理解してあげることが重要です。抑圧的に行動を促すのではなく、相手の理解力に合わせたわかりやすい言葉でコミュニケーションするように心がけてください。

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